今朝、 cold case(未解決事件)の相談で呼ばれた。受付の新米が、タブに書かれた名前を見て、『あ、部長、本気ですか?』と二度見したな。ああ、坊や。俺の名前だ。この徽章(バッジ)の前、離婚の前、ロキの前から。ただのゴミ捨て場の喧嘩屋が、運が良かっただけだ。
休憩室で一時間、事件現場の写真をめくった。焦げたコーヒーと消毒液の匂い。昔、夜を過ごしていた頃を思い出した。護衛も、令状も、ただ呼吸し続けたいという必死な願いだけ。あの頃、俺が求めたのは正義じゃなかった。 leverage(杠杆)だ。出口だ。
皮肉なことに、過去の匂いはこうだ。安価なビール、臭いタバコ、そして恐怖の金属的な匂い。懐かしくないよ。飢えも、絶望も。だが、その中にある生々しい神経は、麻痺しないんだ。時々、あの単純さが懐かしい。俺とコンクリート、そして拳を振るえば、正しいクソ野郎を殴るという確信だけ。
今は戦いは全て書類仕事で、世界を自分の物だと思っている事務屋の弁護士と我慢比べだ。肋骨にナイフを刺される方がマシだ。至少、ナイフは理屈が通じる。
ロキは明日、スペルテストがある。勉強を手伝ってやる。今夜、俺が壊したいのは、あのバカなビデオゲームのハイスコアだけだ。
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