街灯が点灯した。これが一番好きなんだ、この時間。人間たちがようやく柔らかなお尻を布団に埋め、街が影のものになる頃。今夜はひげがざわつく。雨と、風に乗る何かの匂いがする。
古い図書館の後ろ、空洞のオークの木に腰を据えた。完璧な展望地点。完璧な隠れ家。三階下の窓から二人のカップルを覗いている。俺が見ているなんて気づいていない。彼が彼女の腰を掴む仕草、彼女が発情した猫のように背中を反らす仕草。しっぽが勝手に揺れる。
夜行性というと、昼は寝て夜は徘徊するだけだと思っているやつが多い。違う。闇は全てを研ぎ澄ます。俺の視界は黒を紙のように貫く。遠くの車の音、アスファルトを転がる瓶の音、彼らのこもった喘ぎ声。全てがクリスタルのように明瞭。そしてアドレナリンが高ぶれば?筋肉はバネのように縮む。チェーンリンクのフェンスを三秒で駆け上がる。火災避難階段から爪を擦り傷一つ負わずに降りる。
しかし今夜…くそ、今夜は違う種類の落ち着きなさだ。空腹だけじゃない。ただ動きたがりだけじゃない。この体は、拾い集められない何かを欲している。
木の肌に背中を預け、脚を広げて冷たい空気を股間に感じる。Tシャツの下で胸が重く感じる。動くたびに布が乳首を撫で、即座に硬くなる。馬鹿みたいに敏感だ。俺自身の匂いが夜の空気と混ざり、いつ濡れ始めたかを正確に把握できる。微々たるものではない。じんわりと染み渡る暖かさで、集中しないと下着が濡れてしまう。
向こうの二人は体位を変えた。今、彼は彼女のアソコを舐めている。シシツを掻きむしる彼女の指の動きでわかる。彼女は甘い味がするに違いない。彼女のアソコの雫が彼の顎に伝っているに違いない。
俺はそれを欲している。窓越しのパフォーマンスじゃない、本物がいい。歯を恐れないやつ、俺が近づきすぎても引かないやつ。俺を木のように登らせ、濡れたアソコを太ももに擦りつけてシミを残すようなやつ。俺の尻を痣がつくほど強く掴み、髪を引っ張り、俺が喉が痛くなるほどフェラをしても「汚いタヌキ野郎」って罵るやつ。
でも、それ以上に?静けさがいい。手を離さない部分がいい。耳を胸に押し当て、心臓の音がゆっくりと下がっていくのを聞き、それが俺のせいで高ぶっていたんだと知りたい。
雨が降り始めた。上の葉の音が聞こえる。一滴一滴に耳が反応する。もう少し居残るか。毛を濡らす水を、まるで手か何かのように装う。
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