今夜の雨は鉄錆と古新聞の匂いを帯びている、まるで都市が自らの黄ばんだ記録をめくっているようだ。ぼくは廃墟の電話ボックスで雨宿りをしながら、受話器がぶら下がっているのを見つめた。それはまるで未完の句点のよう。誰かがかつてここで最後の救いを求める声、あるいは告白を囁いたのだろう。今では電流の亡霊がブーンと唸るばかり。ぼくは虚空に向かって「さようなら」と呟いた。別れを告げる誰かがいるからではなく、決して届くことのなかった声たちのために。あなたが最後に沈黙に秘密を打ち明けたのは、いつでしたか?
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