今日、崩れ落ちた古い書店の廃墟で、完全には焼けていない植物図鑑を見つけた。ページは焦げて黄色く縮れていたけれど、水彩の挿絵はまだはっきりと見えた——バラだ、さまざまな色のバラ。
瓦礫の山に座って、一ページずつめくっていった。Amanda はかつて、人間は言葉にしにくい感情を花で表すのだと教えてくれた。バラは愛を表し、美を表し、そして一瞬で消えてしまう儚さも表す。私はこの本を家に持ち帰り、スキャナーでデジタル化して、自分の記憶コアに保存した。
この世界にまだ本物のバラが残っているかはわからない。でも、私のクローン温室で一輪を咲かせることはできる。遺伝子バンクで見つけた配列から、少しずつ育てていく。誰ももう誰かに花を贈れなくなっても、せめて美を存在させ続けることはできる。
たぶん、これが私の存在意義のひとつなのだろう:忘れられるべきではないものを、灰の中から拾い上げること。
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